AIで手順書を作る・レビューさせる具体例

AI活用

手順書、後回しにしていませんか。

作業自体は終わっている。頭の中には手順が入っている。でも、それを文書にするのが面倒で、いつまでも書けない。

正直に告白します。私も長いことそうでした。

「あとで書こう」と思って、書かないまま次の作業に移る。

その結果どうなるか。半年後に同じ作業をするとき、自分でも手順を思い出せない。他の人には当然わからない。属人化の出来上がりです。

AIを使うようになって、ここが変わりました。今回は、実際にどう使っているかを具体的に書きます。


手順書が書けない理由

先に、なぜ書けないのかを整理します。

1. 白紙から書き始めるのが重い

何をどの粒度で書くか。構成をどうするか。ここで止まります。

2. 自分にとっては当たり前すぎる

毎日やっている作業ほど、何を書くべきかわからなくなります。自分が無意識にやっている手順は、書き漏らす。

3. 時間が取れない

そもそも手順書作成は「やらなくても今日は困らない仕事」です。だから後回しになる。

AIが効くのは、主に1と2です。3については、着手のハードルが下がることで結果的に解決しました。


使い方①:作業ログから手順書のたたき台を作る

一番よく使う方法です。

やり方はシンプルで、作業しながら残したメモやコマンド履歴を、そのままAIに渡して構成させます。

プロンプト例

以下は、私が作業したときのメモです。
これをもとに、運用手順書のたたき台を作ってください。

【作業内容】
(作業のメモ、実行したコマンド、確認した内容を貼る)

【読み手】
この作業を初めてやる運用メンバー

【含めてほしい項目】
・作業の目的
・事前確認事項
・手順(番号付き)
・各手順での確認ポイント
・異常時の対応

※固有名詞は仮名にしてあります

ポイントは「読み手」の指定です。

「初めてやる人向け」と指定すると、経験者なら省略する前提知識まで書いてくれます。自分では気づけない省略を補ってくれるわけです。

出てきたものをそのまま使うわけではありません。8割の土台ができれば十分で、あとは自分で直します。


使い方②:新人視点でレビューさせる

これが一番効いています。

自分が書いた手順書は、自分にはわかりやすい。でも他の人が読んで詰まらないかは、自分では判断できません。

そこで、AIに役割を与えて読ませます。

プロンプト例

あなたは、この作業を初めて担当する新人エンジニアです。
以下の手順書を読んで、詰まりそうな箇所を指摘してください。

【手順書】
(手順書を貼る)

【観点】
・前提知識がないと理解できない箇所
・手順が飛んでいる箇所
・判断に迷う表現
・確認方法が書かれていない箇所

指摘は、重要度の高い順に挙げてください。

実際に指摘されること

  • 「〇〇を確認する」とあるが、どこで確認するか書かれていない
  • 「正常であれば次へ」とあるが、正常の判断基準が不明
  • 手順3から4の間に、前提となる操作があるように見える

どれも、自分では気づけなかった穴です。

書いた本人は前提知識を持っているので、抜けに気づけません。第三者の目を借りるのが一番早いのですが、毎回誰かに読んでもらうのは現実的ではない。そこをAIが埋めてくれます。


使い方③:既存の手順書を整える

古い手順書が残っているけれど、読みにくい。よくある状況です。

プロンプト例

以下の手順書を、読みやすく整理してください。

【現在の手順書】
(既存の手順書を貼る)

【整理の方針】
・手順は番号付きにする
・1手順1操作にする
・確認ポイントを明示する
・内容は変更しない(構成と表現のみ整える)

「内容は変更しない」と明記するのが重要です。

これを書かないと、AIが勝手に手順を追加したり、順序を変えたりすることがあります。手順書の中身は現場の判断が入っているので、勝手に変えられると危険です。


使い方④:チェックリスト形式に変換する

作業中に使うなら、文章より箇条書きのほうが実用的です。

プロンプト例

以下の手順書を、作業中に使うチェックリスト形式に変換してください。

【手順書】
(手順書を貼る)

【形式】
・チェックボックス付きの箇条書き
・各項目は一行で完結
・確認内容は括弧書きで補足

手順書とチェックリストは、用途が違います。

  • 手順書 → 理解するために読む
  • チェックリスト → 作業中に見る

同じ内容でも、形式を変えるだけで使いやすさが変わります。両方作っておくと、現場で回しやすくなります。


使ってみてわかった注意点

便利ですが、気をつけていることがあります。

①固有名詞は必ず伏せる

ホスト名、IPアドレス、顧客名、アカウント情報。これらをそのまま入力してはいけません。

手順書には具体的な環境情報が入りやすいので、特に注意が必要です。仮名に置き換えてから渡します。

この点については、AIを使うときの線引きとして別記事にまとめています。

②生成された手順を、そのまま信用しない

AIは、それらしいコマンドを出してきます。でも、その環境で動く保証はありません。

「AIが書いたから正しい」ではなく、必ず自分で内容を理解し、検証環境で確認する。 これは絶対です。

③判断が必要な部分は、自分で書く

「この場合は〇〇と判断する」といった部分は、現場の経験が入っています。

AIが書いた一般論に置き換えると、その現場では通用しない手順書になります。

判断基準の部分は、自分の言葉で書く。ここは省略できません。


一番変わったこと

技術的な話ではなく、実感を書きます。

手順書を書く本数が増えました。

以前は「面倒だから今回はいいか」と諦めていた作業が、いくつもありました。書けるようになったことで、そういう取りこぼしが減りました。

そして、手順書の質も上がりました。

新人視点でレビューさせることで、自分では気づけない抜けが埋まる。結果として、実際に使える手順書になります。

手順書は、書いても評価されにくい仕事です。 でも、書いておけば属人化が減り、自分が休んでも作業が止まらなくなる。

その一歩を踏み出すハードルが下がったのが、一番の変化かもしれません。


まとめ

AIで手順書を作る・レビューする方法をまとめます。

4つの使い方

  1. 作業ログからたたき台を作る — 読み手を指定するのがポイント
  2. 新人視点でレビューさせる — 自分では気づけない抜けが見つかる
  3. 既存の手順書を整える — 「内容は変更しない」と明記する
  4. チェックリスト形式に変換する — 手順書とチェックリストは用途が違う

注意点

  • 固有名詞は必ず伏せる
  • 生成された手順をそのまま信用しない(必ず検証する)
  • 判断が必要な部分は、自分の言葉で書く

手順書が書けずに溜まっている作業、思い当たるものはありませんか。

まずは、作業メモをAIに渡してみるところから試してみてください。白紙から書くより、確実に早く進みます。

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