運用保守19年で転職しなかった理由、正直に話します

こいきんぐの本音

「なんで転職しないんですか?」

チームの後輩から、こう聞かれたことがあります。

19年間、同じ業界でキャリアを積んできた私に対して、純粋な疑問として聞いてきたんだと思います。

正直に言います。転職を考えたことが、なかったわけではありません。

「このまま続けていていいのか」「もっと良い環境があるんじゃないか」——そう感じた時期が、何度かありました。

それでも転職しなかった理由を、今回は正直に話します。


転職を考えた時期はあった

まず前提として、「19年間一度も転職を考えなかった」わけではありません。

特に30代前半、社内SEとしてキャリアの方向性に迷っていた時期に、転職エージェントに登録して求人を見たことがあります。

「年収がもっと上がるかもしれない」「もっと裁量のある仕事ができるかもしれない」——そういう気持ちは正直ありました。

それでも転職しなかった。その理由を振り返ると、大きく3つあります。


理由①:「今の環境でやり切っていない」と感じていた

転職を考えるたびに、自分に問いかけていたことがあります。

「今の環境でやれることを、全部やり切ったか?」

答えが「NO」のうちは、転職しても同じことを繰り返すだけだと思っていました。

環境を変えることで解決できる問題もあります。でも「今の環境でやり切っていない」という状態で転職しても、次の環境でも同じように「もっと良い環境があるんじゃないか」と思い始める。

私が転職を踏みとどまったのは、「まだここでやれることがある」という感覚があったからです。

SES時代は技術を磨き切っていなかった。社内SE時代はプロジェクト管理をもっと深められると感じていた。チームリーダーになってからは、チームをもっとスケールできると思っていた。

「やり切った」と思えるたびに、次のステージが見えてきた。それが19年間続いてきた理由の一つです。


理由②:「積み上げたものを手放したくない」と思っていた

運用保守の仕事は、積み上げが大切です。

同じ顧客と長く付き合うことで、「このシステムの歴史」「この担当者の考え方」「このビジネスの特性」が蓄積されていきます。

転職すると、この積み上げをゼロからやり直す必要があります。

もちろん、技術スキルやマネジメント経験は持ち運べます。でも「この顧客との信頼関係」「このシステムへの深い理解」は、その場所にしかない。

私はこの積み上げに価値を感じていました。

「10年かけて築いた顧客との信頼関係を手放して、また1からやり直す意味があるか」——そう考えると、転職のメリットとデメリットのバランスが、私の場合は「続ける」に傾いていました。


理由③:キャリアの方向性が社内で実現できていた

転職する最大の理由の一つは、「今の会社では実現できないことがある」ということです。

私の場合、やりたいと思ったことが、社内でのキャリアの中で実現できていました。

  • 作業者からリーダーへの昇格
  • 担当顧客の拡大
  • チームのスケール
  • AI活用・業務効率化への挑戦

「これがやりたいのに、今の会社ではできない」という状況が生まれたとき、初めて転職が現実的な選択肢になると思っています。

私の場合、幸いにも「やりたいこと」が社内で実現できてきたので、転職の必要性を強く感じることがありませんでした。


転職しなかったことへの後悔はあるか

「19年同じ会社にいて、後悔はないか?」

正直に言います。後悔がゼロかというと、そうではありません。

「もっと早く転職して、違う環境を経験しておけばよかった」と思うことが、たまにあります。特に、同じ業界の異なる会社で働いている人と話すとき、「そういうやり方もあるんだ」と気づかされることがあります。

一つの会社・一つの環境に長くいると、視野が狭くなるリスクがあります。これは正直なデメリットだと思っています。

ただ、それを補うために意識してきたのが、社外のコミュニティへの参加、本や記事からのインプット、そして今こうやってブログで発信することです。


転職は「すべき」でも「してはいけない」でもない

私が19年転職しなかった理由を話しましたが、これは「転職しない方がいい」という話ではありません。

転職が正解の人もいる。転職しない方が良い人もいる。

大切なのは、「なぜ転職するのか(しないのか)」を自分の言葉で語れることだと思っています。

「なんとなく転職した方がいい気がする」「みんな転職しているから」という理由では、転職しても後悔しやすい。

「今の環境ではこれができない」「次の環境でこれを実現したい」という具体的な理由があるとき、転職は意味を持ちます。


まとめ

19年転職しなかった理由を3つ、正直に話しました。

  1. 「今の環境でやり切っていない」と感じていた → やり切ってから次を考えるスタンス
  2. 「積み上げたものを手放したくない」と思っていた → 顧客との信頼関係・システムへの深い理解
  3. キャリアの方向性が社内で実現できていた → やりたいことが社内でできていた

転職するかどうかより、「自分が何を実現したいか」を明確にすることの方が大切です。

それが明確になれば、転職すべきかどうかの答えは自然と見えてきます。

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