部下が辞めたとき、自分を責めた話

こいきんぐの本音

チームリーダーをやっていると、避けられないことがあります。

部下が辞めること。

19年の中で、何人もの部下を見送ってきました。前向きな転職、キャリアアップ、家庭の事情——理由はさまざまです。

でも、その中には「自分のせいで辞めてしまったんじゃないか」と、自分を責めた経験もあります。

今回は、部下が辞めたときに自分を責めた話と、そこから学んだことを正直に書きます。同じように悩むリーダーに、何か届けばと思います。


「辞めます」の一言が、こんなに重いとは

リーダーになる前は、同僚が辞めても「お疲れさま、次も頑張って」くらいの気持ちでした。

でも、自分がリーダーになって、自分のチームのメンバーから「辞めます」と言われたとき——その言葉の重さに、驚きました。

「何かできたんじゃないか」 「自分のマネジメントが悪かったんじゃないか」 「もっと早く気づいていれば」

頭の中を、後悔と自責がぐるぐる回りました。

特に、自分が目をかけて育ててきたメンバーが辞めるときは、こたえました。「裏切られた」というような気持ちではなく、「自分が至らなかった」という気持ちです。


自分を責めた、ある退職

特に忘れられない退職があります。

あるメンバーが、心身ともに疲れた様子で辞めていきました。

後から振り返ると、サインはあったんです。表情が暗くなっていた。残業が増えていた。口数が減っていた。

でも、当時の私は自分の業務に追われていて、そのサインに気づいてあげられなかった。気づいたときには、もう本人の決意は固まっていました。

「自分がもっと早く気づいて、声をかけていれば」——そう思うと、長い間、自分を責め続けました。


自責から学んだこと

自分を責め続けた経験から、私はいくつかのことを学びました。

学び①:すべてをリーダーの責任にしすぎない

部下が辞める理由は、一つではありません。仕事内容、人間関係、待遇、家庭の事情、本人のキャリア観——複合的な要因が絡んでいます。

そのすべてを「自分のマネジメントのせいだ」と背負い込むのは、正しくないし、健全でもありません。

もちろん、リーダーとして反省すべき点はある。でも、「全部自分のせい」と考えるのは、傲慢でもあり、自分を追い詰めるだけです。

「自分にできたことは何か」を冷静に振り返ることと、「すべてを自分の責任にすること」は違います。

学び②:サインに気づける余裕を持つ

あの退職から、私はメンバーの様子に意識的に目を向けるようになりました。

表情、残業時間、口数、仕事ぶりの変化——。こういった小さなサインに気づくには、リーダー自身に余裕が必要です。

自分の業務に追われて余裕がないと、メンバーを見る余裕もなくなる。だから私は、「メンバーを見る時間」を意識的に確保するようになりました。

学び③:辞めることは、必ずしも失敗ではない

これは、時間をかけて受け入れられるようになったことです。

部下が辞めること=リーダーの失敗、ではありません。

前向きな転職で、本人がより良いキャリアに進んでいくなら、それは喜ぶべきこと。送り出すのもリーダーの役割です。

「うちのチームで成長して、次のステージに進んでいった」と思えるようになってから、退職に対する見方が少し変わりました。


今、メンバーと向き合うときに意識していること

あの経験を経て、今、私がメンバーと向き合うときに意識していることがあります。

1. 定期的に「ちゃんと話す」場を持つ

業務の話だけでなく、「最近どう?」と本音を聞ける場を、定期的に持つようにしています。1on1のような形で、メンバーの状態を把握する時間を作る。

2. 小さな変化を見逃さない

表情や様子の変化に気づいたら、早めに声をかける。「何かあった?」の一言が、メンバーを救うことがあります。

3. 辞める決断を尊重する

それでも辞める決断をしたメンバーには、その決断を尊重し、気持ちよく送り出す。引き止めることが正解とは限りません。


リーダーとして、部下の退職に悩む人へ

もし今、部下が辞めて自分を責めているリーダーがいたら、伝えたいことがあります。

部下の退職に心を痛めるのは、あなたが真剣にメンバーと向き合ってきた証拠です。どうでもいいと思っていたら、悩みもしません。

でも、すべてを自分の責任にして、自分を追い詰めないでください。

リーダーにできることには限界があります。あなたが誠実に向き合っていたなら、それで十分です。

その経験から学んで、次のメンバーとの向き合い方に活かす。それが、辞めていったメンバーへの一番の誠意だと、私は思っています。


まとめ

部下が辞めたとき、自分を責めた話をしました。

そこから学んだことは——

  1. すべてをリーダーの責任にしすぎない
  2. サインに気づける余裕を持つ
  3. 辞めることは、必ずしも失敗ではない

部下の退職は、リーダーにとってつらい経験です。でも、その経験は、次のメンバーとの向き合い方を変えてくれます。

自分を責めすぎず、でも学びは活かす。それが、リーダーとして成長していくということなのだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました