運用保守エンジニアがメンタルを保つために意識していること

こいきんぐの本音

運用保守の仕事は、メンタルにくる場面が多い。

夜間の障害対応、終わらない定例作業、顧客からのプレッシャー、評価されにくい環境……。「なんのためにやっているんだろう」と感じたことが、私にも何度かありました。

でも19年間、大きく折れることなくやってこられた。

今回は、私が意識してきた「メンタルを保つための考え方と習慣」を正直に話します。


運用保守がメンタルにくる理由

まず、なぜ運用保守エンジニアがメンタルを消耗しやすいのかを整理します。

1. 「当たり前」しか評価されない

システムが止まらない状態を維持することが仕事なので、うまくいっているときは誰にも気づかれません。でも何か起きると途端に注目される。「やって当たり前」の仕事は、心理的に消耗します。

2. 障害対応のプレッシャー

障害が起きると、時間的プレッシャー・顧客からのプレッシャー・原因不明のまま進む不安が一度に押し寄せます。これが積み重なると、じわじわとメンタルを削っていきます。

3. コントロールできないことが多い

ハードウェアの故障、ベンダの対応遅延、顧客側の都合による急な依頼変更……。自分ではどうにもならないことに振り回される場面が多い仕事です。

こういった構造的な問題があるからこそ、意識的にメンタルをケアする必要があります。


意識していること①:「コントロールできること」と「できないこと」を分ける

メンタルを消耗する原因の多くは、コントロールできないことを気にしすぎることです。

障害の原因がベンダ側にある。顧客が急な依頼を出してくる。上司の評価基準が変わる。これらは自分ではどうにもできません。

私が意識しているのは、**「自分がコントロールできることに集中する」**ということです。

障害が起きたとき、ベンダの対応速度は変えられない。でも「自分が今できる最善の対応をする」「顧客への報告を丁寧に行う」「復旧後に再発防止策を考える」——これらは自分でコントロールできます。

コントロールできないことに頭を使う時間を減らすだけで、メンタルの消耗は大きく減ります。


意識していること②:障害対応後に「振り返り」をする

障害対応が終わった後、そのままにしていませんか?

私は障害対応の後、必ず簡単な振り返りをするようにしています。

  • 何がうまくいったか
  • 何がうまくいかなかったか
  • 次回に活かせることは何か

これをやる理由は2つあります。

一つは再発防止。もう一つは**「やりきった」という感覚を持つため**です。

障害対応はどこか「やりっぱなし」になりやすい。振り返りをすることで、「今回の経験を次に活かせた」という感覚が生まれます。これが積み重なると、障害対応への恐怖感が少しずつ薄れていきます。


意識していること③:「今日やるべきこと」を3つに絞る

50社管理をしていると、やるべきことが無限に積み上がります。

全部やろうとすると、何も終わらないまま1日が終わる。そしてその感覚が積み重なって、消耗していきます。

私が意識しているのは、朝に「今日必ずやること」を3つだけ決めることです。

3つ終われば、その日は「成功」です。4つ目・5つ目は「ボーナス」という感覚で取り組む。

「今日も何も終わらなかった」ではなく「今日も3つ終わった」という感覚で1日を終えられるようになると、じわじわとメンタルが安定してきます。


意識していること④:「感情の切り替え」に時間をかけない

50社を管理していると、1日に何十回も「文脈の切り替え」が発生します。

A社の障害対応モードから、B社の定例会議モードへ。この切り替えがうまくできないと、前の案件を引きずったまま次に進んでしまいます。

私が使っているのは、小さな「リセット動作」を決めておくことです。

たとえば——

  • 案件を切り替えるとき、30秒だけ目を閉じて深呼吸する
  • コーヒーを一口飲んでから次の作業に入る
  • メモ帳に「今の案件で残っていること」を書き出してから切り替える

どれが合うかは人によって違いますが、「意識的にリセットする動作」を持っておくだけで、切り替えのスムーズさが変わります。


意識していること⑤:「完璧にやろうとしない」

運用保守エンジニアは、真面目な人が多い印象があります。

だからこそ「完璧にやらなければ」というプレッシャーを自分にかけすぎてしまう。

でも、50社・20名のチームを管理していると、完璧にできないことの方が圧倒的に多い。見積が外れることもある。障害の原因がすぐにわからないこともある。

私が意識しているのは、「今できるベストを尽くした」と思えればOKという基準です。

結果がうまくいかなくても、「あのとき自分ができる最善をやった」と思えれば、引きずりにくくなります。完璧主義をやめると、メンタルの回復が早くなります。


まとめ

運用保守エンジニアがメンタルを保つために意識していることを5つ紹介しました。

  1. 「コントロールできること」と「できないこと」を分ける
  2. 障害対応後に「振り返り」をする
  3. 「今日やるべきこと」を3つに絞る
  4. 「感情の切り替え」に時間をかけない
  5. 「完璧にやろうとしない」

どれも特別なことではありません。でも、意識してやり続けるだけで、じわじわとメンタルの安定感が変わってきます。

「最近消耗しているな」と感じている方は、一つだけ試してみてください。

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