運用保守の仕事には、ある特徴があります。
うまくいっているときは、誰にも気づかれない。
システムが安定して動いている。障害が起きない。当たり前に毎日が過ぎていく。そのとき、運用保守エンジニアに「ありがとう」と言う人は、ほとんどいません。
逆に、何か問題が起きたときだけ、注目される。
「ありがとう」と言われることが少ない仕事。それでも、私はこの仕事に深いやりがいを感じています。
今回は、「ありがとう」と言われない仕事の、本当のやりがいについて書きます。
「何も起きない」のが、最高の成果
運用保守の仕事の特殊なところは、「何も起きない」ことが最高の成果だということです。
開発なら、新しい機能ができれば「すごいね」と言われる。営業なら、契約が取れれば「よくやった」と称賛される。成果が目に見えるから、評価もされやすい。
でも、運用保守は違います。システムが止まらず、障害も起きず、ただ淡々と動き続ける——これが最高の状態。でも、この状態に「ありがとう」は、なかなか向けられません。
「何も起きていない」のは、運用保守エンジニアが、見えないところで問題を未然に防ぎ、地道に守り続けているからです。でも、その努力は表に出ない。
ここに、運用保守という仕事の難しさと、奥深さがあります。
やりがい①:「自分が支えている」という実感
「ありがとう」と言われなくても、私には確かなやりがいがあります。
それは、「自分がこのシステムを支えている」という実感です。
私が守っているシステムの先には、それを使って仕事をする人がいる。そのシステムが止まれば、たくさんの人の業務が止まる。
「自分が守っているから、あの人たちが安心して仕事ができている」——この実感は、誰かに「ありがとう」と言われなくても、心を満たしてくれます。
派手さはない。でも、確実に誰かの役に立っている。この手応えが、運用保守の本当のやりがいです。
やりがい②:「未然に防いだ」ときの静かな達成感
運用保守をしていると、「このままだと障害になりそうだ」という予兆に気づくことがあります。
ディスク容量がじわじわ増えている。証明書の期限が近い。負荷が上がってきている——。
こういう予兆に気づいて、障害になる前に手を打つ。その結果、何事もなく日常が続く。
誰も、その「未然に防いだ」ことには気づきません。「ありがとう」も言われません。
でも、私の中には、静かな達成感があります。「あのとき気づいて対応したから、障害にならずに済んだ」——この自分だけが知っている達成感が、運用保守の醍醐味です。
やりがい③:たまにもらえる「ありがとう」の重み
「ありがとう」と言われることが少ないからこそ、たまにもらえる「ありがとう」は、特別な重みを持ちます。
障害対応を乗り越えたとき、顧客から「本当に助かった」と言われる。後輩から「あの対応、勉強になりました」と言われる。チームメンバーから「いてくれて心強い」と言われる。
こういう言葉は、めったにもらえないからこそ、心に深く刻まれます。
開発のように日常的に称賛される仕事ではない。でも、だからこそ、たまにもらえる感謝の言葉が、何倍にも嬉しく感じる。これも、運用保守ならではのやりがいかもしれません。
やりがい④:「縁の下の力持ち」という誇り
私は、運用保守を「縁の下の力持ち」だと思っています。
表舞台で目立つことはない。スポットライトを浴びることもない。でも、その存在がなければ、すべてが成り立たない。
縁の下の力持ちは、地味です。でも、いなくなったら、上に乗っているものが全部崩れる。
「自分は、この組織の、この社会の、縁の下を支えているんだ」——この誇りが、私を動かしてきました。
目立たなくていい。称賛されなくていい。確実に、誰かの土台を支えている。その誇りこそが、運用保守の本当のやりがいです。
「ありがとう」を、自分から伝える
最後に、リーダーとして意識していることを書きます。
運用保守は「ありがとう」と言われにくい仕事。だからこそ、私はチームのメンバーに、意識的に「ありがとう」を伝えるようにしています。
「いつも安定運用してくれてありがとう」 「あの対応、本当に助かったよ」 「君がいてくれて、チームが回っている」
外から「ありがとう」が来にくいなら、せめてチームの中では、感謝を言葉にする。
運用保守エンジニアの頑張りは、見えにくい。だからこそ、その頑張りを見ている人が、ちゃんと言葉にすることが大切だと思っています。
まとめ
「ありがとう」と言われない仕事の、本当のやりがいについて書きました。
- 運用保守は「何も起きない」のが最高の成果
- でも、その努力は表に出にくい
それでも、確かなやりがいがあります。
- 「自分が支えている」という実感
- 「未然に防いだ」ときの静かな達成感
- たまにもらえる「ありがとう」の重み
- 「縁の下の力持ち」という誇り
「ありがとう」と言われなくても、運用保守エンジニアの仕事には、確かな価値とやりがいがあります。
あなたの仕事は、見えないところで、確実に誰かを支えています。それは、本当に誇るべきことです。


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