「出世したくない」と言う後輩に、私が伝えたこと

こいきんぐの本音

「僕、出世とか興味ないんですよね」

ある日、後輩がぽつりとこう言いました。

リーダーやマネージャーになんてなりたくない。今のまま、現場で手を動かしていたい。責任が増えるのは嫌だ——そういう気持ちだそうです。

正直、その気持ちはわかります。私自身、若いころは「出世=面倒なもの」だと思っていた時期がありました。

今回は、「出世したくない」と言う後輩に、私が伝えたことを書きます。同じように感じている人に、何か届けばと思います。


「出世したくない」は、悪いことじゃない

まず最初に伝えたのは、「出世したくないこと自体は、悪いことじゃない」ということです。

世の中には、「出世こそが正義」「昇進しないと負け」みたいな空気があります。でも、私はそうは思いません。

現場で専門性を極めていくキャリアもある。管理職にならず、スペシャリストとして活躍する道もある。出世だけが、正解ではありません。

だから、「出世したくない」という気持ちを、否定するつもりはありませんでした。まず、その気持ちを受け止めることから始めました。


でも、「なぜ出世したくないのか」は考えてほしい

その上で、後輩に一つだけ問いかけました。

「なぜ、出世したくないの?」

大事なのは、「出世したくない」という気持ちの、その理由です。

理由によって、話はまったく変わってくるからです。

もし理由が「専門性を極めたいから」なら、それは前向きな選択です。スペシャリストの道を進めばいい。

でも、理由が「責任を負いたくないから」「面倒だから」なら、少し立ち止まって考えてほしい。

後輩の場合、話を聞いてみると、後者に近いものでした。「責任が増えるのが怖い」「今のままが楽だから」という気持ちが大きかったんです。


私が伝えたこと①:出世は「偉くなること」じゃない

後輩が出世を避けたい理由の一つに、「偉そうにしたくない」「人の上に立ちたくない」という気持ちがありました。

そこで、私が伝えたのはこうです。

「出世は、偉くなることじゃないよ」

リーダーやマネージャーになるというのは、「人の上に立つ」ことではありません。「チームを支える役割を担う」ことです。

私自身、リーダーになって気づきました。リーダーの仕事は、メンバーに命令することではなく、メンバーが働きやすい環境を作ること。現場を支えること。

「偉くなる」というイメージで出世を捉えているなら、それは誤解かもしれない——そう伝えました。


私が伝えたこと②:選択肢は多い方がいい

もう一つ伝えたのは、**「選択肢は、多い方がいい」**ということです。

今は「出世したくない」と思っていても、数年後には気持ちが変わるかもしれません。ライフステージが変わって、収入を上げたくなるかもしれない。もっと大きな仕事に挑戦したくなるかもしれない。

そのとき、「出世できる実力があるけど、あえて選ばない」のと、「出世したくてもできない」のとでは、まったく違います。

大事なのは、「選べる状態」を作っておくことです。

出世するかどうかは、後で決めればいい。でも、「いつでも選べる実力」は、今のうちから身につけておいた方がいい。そう伝えました。


私が伝えたこと③:「責任」は成長のチャンス

後輩が一番避けたがっていたのが、「責任」でした。

でも、私はこう伝えました。

「責任を負うことは、成長のチャンスだよ」

責任のない仕事だけをやっていると、成長は止まります。人は、責任を負って、難しい判断をして、時には失敗して——そうやって成長していきます。

もちろん、責任はプレッシャーです。でも、そのプレッシャーが、人を大きくする。

「責任を避け続けると、楽かもしれないけど、成長の機会も失う」——このことは、伝えておきたかったんです。


押し付けはしない

ただ、私が最後に意識したのは、**「押し付けない」**ということです。

私の考えを伝えはしましたが、最終的にどうするかは、後輩自身が決めることです。

「出世しろ」と強制するつもりはありません。専門性を極める道を選ぶなら、それを応援する。管理職を目指すなら、それをサポートする。

大切なのは、本人が納得して、自分で選ぶこと。私にできるのは、判断材料を提供して、選択肢を示すことだけです。

「僕はこう思うけど、最終的には君が決めることだよ」——そう伝えて、話を締めくくりました。


リーダーとして思うこと

この後輩とのやり取りを通じて、私自身も改めて考えました。

「出世したくない」という若手は、実は増えていると感じます。時代の価値観も変わってきています。

だからこそ、リーダーとして大切なのは、多様なキャリアを認めることだと思っています。

全員が管理職を目指す必要はない。スペシャリストの道もある。ワークライフバランスを重視する生き方もある。

一人ひとりが、自分に合ったキャリアを選べるように支える。それが、これからのリーダーに求められることだと感じています。


まとめ

「出世したくない」と言う後輩に、私が伝えたことをまとめます。

  • 「出世したくない」こと自体は、悪いことじゃない
  • でも、「なぜ出世したくないのか」は考えてほしい
  • 出世は「偉くなること」じゃない、チームを支える役割
  • 選択肢は多い方がいい。「選べる状態」を作っておく
  • 「責任」は成長のチャンス
  • でも、最終的には本人が納得して選ぶこと

出世するかしないかに、正解はありません。

大切なのは、自分の価値観と向き合って、納得のいく選択をすること。そのための判断材料を示すのが、先輩やリーダーの役割だと思っています。

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